ナポリ仕立ての高級ブランド キートン (kiton)
- 2019.11.10
- スーツテーラー


イタリアのスーツと聞くと無条件でかっこいい。
やはり一日三回も着替える国柄でしょうか?
どちらにしても今回ご紹介したいキートンも世界で最も美しい服を仕立て上げるブランドです。
キートンの歴史

かつてナポリはヨーロッパでも随一の英華を誇りました。富やモノ、様々な文化が集中したのです。現在の街並みからも、そのどこかエキゾチックな雰囲気で異文化交流の中心であったことが感じられます。
そんなナポリで7代にわたり、服地卸を営む家系に生まれた「チロ・パオーネ」が1969年にキートンを設立しました。
背景には職人の高齢化やナポリ周辺の環境の変化など、ナポリ仕立ての美しい服を守りたいとの強い思いがあり、現在まで最高に美しい服を作り続けてきました。
世界で最も美しい服

創業者のチロはキートンの服に世界一の美しさを求めました。イタリアらしいですね。
しかし、その理想は極上の生地と最高の職人によって現実になります。
芯地と服地の相性やボタンホールのかがりなど、デザインと着心地の良さへの追及は一切の妥協なく、キートン特有の柔らかさとドレープの美しさは世界一といっても決して過言ではありません。
また、キートンのこだわりの「ナポリ仕立てであること」を頑なに守りつつも、モダンでエレガントな感覚を持ち合わせるコレクションは毎年新しい驚きを与えてくれます。
手作業による仕立てにサルト(職人)の情熱

生地のカッティング、アイロン、 縫製などの工程はすべて職人による手作業で、相当な技術と時間を要します。繊細なファブリックはすべてハンドカッティング、特別なキャメル芯地を手作業で据え、ハンドメイドによる縫い目の強弱、曲線を多用し仕立て上げます。
職人はそれぞれの工程に一人ずつ。スペシャリストがよってたかって一着を作り上げていきます。

一着のジャケットにおよそ150の工程と20時間もの時間を費やします。つまり、150人の職人が丸一日かけ、たった一着のジャケットが完成するのです。
途方もない工程と脳外科手術並みの繊細な作業の末、世界最高に美しい服が仕立てられるのです。まさに職人の情熱と至高の服作りにかける魂が生み出した芸術作品です。
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